空き家の相続が思わぬ結果に!兄弟がもめたその理由とは?

投稿者: | 2019年6月10日

便利屋業界では最近「空き家の管理」を請け負うことが多いのですが、空き家の管理を請け負う際の期間が「当面の間」でお願いされる場合が多いのです。

 

実際、便利屋関係者と会って話をすると、当面の間空き家の管理を依頼されて、実際にいつまで利益が見込めるのかが予測できないと嘆いている人もいます。

 

依頼が当面の間になる理由には様々なものがありますが、その中で一番多いのが「相続が整理できるまで」と言われる場合です。

 

ご両親が亡くなったことでご実家が空き家になり、残されたお子様方が残された遺産を相続する中で、空き家となったご実家を誰が手に入れるのかが焦点になってくることもあるからです。

 

遺産相続には「もめる」と言うイメージもありますが、そのきっかけが「空き家」だったりすることもあるのです。

 

■空き家の管理費用がネックとなり相続がもめる

 

便利屋関係者のAさんから聞いた話ですが、Aさんのお客様にR様と言う方がいらっしゃるそうで、以前から空き家の管理を「当面の間」引き受けているそうです。

 

R様は茨城県のある家のご長男で、自身の下に弟さんと妹さんがいらっしゃいましたが、ご自身も含めてみなさん結婚されて実家とは別に家を構えておられました。

 

ご実家にはお父様がお一人で暮らしておられましたが、ある日実家で倒れて亡くなっているところを発見され、その後「ある事情」から空き家の管理を「当面」ご長男であるR様が引き受け、ご自身が東京都内にお住まいであることからAさんの便利屋に空き家管理をご依頼されたのだそうです。

 

ある日、R様が「空き家の事なら何でも相談に乗ってくれるんですよね?」と、相続でもめていることへの相談をAさんにしてきたそうです。

 

内容を聞いてみると、弟様も妹様もアパート暮らしで、自分でマンションを購入して(と言ってもローンを支払い続けている)のはR様だけで、残り2人の兄弟が空き家を巡って喧嘩になっているので、法律的に対応できる方法を教えてほしいというのがR様のご依頼だったのです。

 

■トラブルの原因は「リフォームローン」

 

ご兄弟が相続でもめたのには「ローン」の存在がありました。

 

今回の場合で言えば、お父様がお亡くなりになり、既にお母様も他界されているので、お父様がお持ちの財産はすべて3人の子どもさんに3等分されることになります。

 

ただし、3等分される財産には「負債」をふくむのです。

 

R様のご実家は、お父様が将来的に一人暮らしをスムーズに行えるように、お父様が元気なうちにとリフォームを行っていたのです。

 

お父様は62歳でまだ退職されず現役の会社員として働いておられたので、収入があったことからリフォーム費用の一部を「リフォームローン」として借り入れていたため、急逝されたおともありローンの残債が2百万円ほど残っている状態だったのです。

 

つまり「家を手に入れるなら2百万円のローン残債も一緒に相続しなくてはならない」ことになり、その結果兄妹でもめることになったのです。

 

ご長男の立場からすれば自分は既にマンションを持っているので特に実家がほしいわけでもなく、できる限り相続を終えて穏やかに暮らしたいと思っているのですが、兄弟がこのことでもめ続けるので徒労に暮れたそうです。

 

■もめ続けて1年、空き家はその間に荒れ放題に

 

権利を巡って兄妹がもめている間、管理する人すら決まらない空き家だけが残され、次第に庭には草が生え、きれいな花を咲かせていた桜も枝が伸びきって隣家の庭に係るようになって、R様に苦情が寄せられます。

 

結局R様は「相続人が決まるまでの間」と言う条件で自分が空き家の管理を請け負う事にし、定期的に帰ってくることも難しいので、Aさんの便利屋に空き家管理を依頼されたわけです。

 

■ついに兄妹の争いに巻き込まれてしまう

 

当面の間とは言いつつも、既に1年が経過していたあるころ、兄弟がR様の元を訪れ、とんでもないことを言い出します。

 

「兄はあの家を自分のものにしようとしている」とか「丁寧に掃除をして、自分が住み始める気だ」など、兄妹がここぞとばかりにR様に言いがかりを付けます。

 

R様からすれば兄妹のもめごとがあってそれが落ち着くまで「当面の間」空き家を管理していて、自分が身銭を切って便利屋にお金を払って空き家を管理しているのに、ここまで兄妹に言われる筋合いはありません。

 

こうして兄妹間の円満な関係は破断し、お互いに弁護士を立てて相続に関する訴訟にまで発展することになってしまいました。

 

■はたして、その行動は正しかったのか

 

Aさんいわく、R様はご長男として、空き家の管理を適切に行われていただけで、兄妹間の争いに巻き込まれるのは一種の「交通事故」のようなものだと話していました。

 

実際、空き家の管理は様々なトラブルの要因となっています。空き家の庭木が隣家に伸びてもトラブルになるし、空き家にスズメバチが巣を作ってそれに隣人が刺されてもトラブルになる時代です。

 

兄妹が相続でもめているとはいえ、R様は長男としてさまざまな対応をなさってこられたのですから、訴訟になっても一定の責任を課せられることはないでしょう。

 

R様も度重なる兄妹げんかに嫌気がさして「2百万ほどなら自分が払って話を収めよう」と思ったこともあるそうなのですが、自らの家になるわけでもない空き家にお金をつぎ込むことを奥様はよしとされなかったそうです。

 

かといって相続放棄をすれば、お父様が持っている他の財産も含めて相続権利を放棄するだけなので、弟様と妹様だけが得をするだけです。

 

実際、お父様の世話を一番なさっていたのはご長男であるR様だったので、R様自身も「親父のことを顧みなかった兄妹達」が何もせずに得をするのは許せなかったのだと、Aさんに明かしたこともあるそうです。

 

■さらなるトラブルに巻き込まれないためにも定期的な空き家の管理を!

 

Aさんいわく、便利屋をしているとR様のような事例は決して稀なものではないようです。

 

実際、全国では相続に関連して空き家の処遇が問題となっていて、R様とは真逆に「管理ができない空き家」や「売ろうとしても売れない空き家」の相続をしたくないともめている事例も多々あります。

 

ですが、相続で時間をかけている間にも空き家の状態は悪化する一方なので、空き家の適切な管理は相続とは別問題と捉えておかないと周辺の住民とトラブルを抱えてしまうことにもなりかねません。

 

台風が来て、強風で吹き飛ばされた空き家の屋根瓦が隣家の窓ガラスを割ったら。

 

庭の枯木を放置しておいて、ある日それが通学路に向かって倒れ、歩いていた小学生がけがをしたら。

 

これらはすべて起こり得ることですし、起こった場合は空き家の管理者がすべて責任を負わなくてはなりません。

 

これらを防ぐには、定期的な空き家の管理を行うことが先決なわけですね。